ウッディエンス・メールマガジン


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■ ウッディエンス メールマガジン          2007/12/20  No. 006   
■                                    
■  木材の科学は日進月歩! 日本木材学会から最新の情報をお届けします  ■
                                     ■
                      発行 日本木材学会広報委員会 ■
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お詫び:編集の不手際により、発刊が遅れましたことを深くお詫び申し上げます。
                      日本木材学会広報委員会長 林知行

■本号の目次■
・会員の研究紹介
  ◆『厚物構造用合板を用いた耐力壁の開発』
                 森林総合研究所 構造利用研究領域 青木謙治

◆『CNCルータによる木材および木質材料の高精度加工を目指すシステムの開発』
                福岡教育大学教育学部 技術教育講座 大内 毅

■会員の研究紹介コーナー■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 日本木材学会の研究分科会という組織ではいくつかの共通の研究対象に興味をもつ
会員相互の情報交換や新たな成果を発表するなど、さまざまな活動が行われています。
このコーナーでは、それぞれの研究会から興味深い研究をされている方を順番に紹介
しています。
 今回は《木材強度・木質構造研究会》から推薦された青木謙治氏と《機械加工研究
会》から推薦された大内毅氏の研究をご紹介します。
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◆『厚物構造用合板を用いた耐力壁の開発』
                 森林総合研究所 構造利用研究領域 青木謙治
 木造住宅が大きな地震や台風などの外力に対して抵抗するための重要な要素の一つに、
耐力壁と呼ばれる壁があります。木造住宅の耐震性・安全性は、この耐力壁の量と配
置にかかっていると言っても過言ではありません。耐力壁の強さや量、配置に関して
は、建築基準法施行令や関連告示で定められており、木造住宅を建てる際には、法令
に従って適切に耐力壁を配置することが義務づけられています。
 耐力壁には、筋違いと呼ばれる斜材を軸組内に挿入するタイプと、構造用合板など
の木質系面材料を釘打ちするタイプ、そして土塗り壁や貫などによる伝統的技法を用
いたタイプなどがありますが、近年大幅にその需要を拡大しているのが木質系面材料
を釘打ちするタイプです。この面材料を用いたタイプは、方向性を持たず左右どちら
の変形に対しても同じ性能を発揮できる点、施工が比較的容易で施工誤差が少ない点、
釘接合部の強度から耐力壁の性能が推定できる点などから、元々この耐力壁を主要な
耐震要素としてきた枠組壁工法住宅のみならず、筋違い利用が主流であった在来軸組
構法住宅においても採用する工務店、住宅メーカーが増えています。
 耐力壁に用いられる面材料は、厚さ9〜12mm程度のものが一般的であり、告示など
に定められた壁倍率(壁の強さを表す指標)も概ねこの厚さの面材料を想定して定め
られたものです。一方、最近の木造住宅では、厚さが24mm以上ある構造用合板を住
宅の床下地材として梁や桁に直接釘打ちする工法が主流となってきており、従来の施
工方法に比べて床構面の強度も大幅に増加できることから、この厚い構造用合板を耐
力壁に用いることによって、さらに性能の高い耐力壁を作ることができるのではない
かという期待がありました。そこで我々は、厚さ24mm以上の構造用合板を耐力壁に適
用する技術開発研究を実施し、合板の厚さや釘の種類・間隔等が耐力壁の性能にどの
ような影響を及ぼすのかを検討し、最終的に最も優れた性能を示す仕様を確定させた
後に、壁倍率の国土交通大臣認定取得を目指すこととしました。
 
◇この続きは下記のリンクからご覧ください。
  http://www.jwrs.org/woodience/mm006/aoki.pdf 

◇問い合わせ先:森林総合研究所 構造利用研究領域
                      青木謙治 TEL Tel 029-829-8311 

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◆ 『CNCルータによる木材および木質材料の高精度加工を目指すシステムの開発』
                福岡教育大学教育学部 技術教育講座 大内 毅
 近年,家具工場等の加工工程に導入されている木工機械の自動化が進んでおり,そ
の中でも特に溝突き,面取り,切り抜き等の各種切削加工が可能なCNCルータ(Com-
puter numerically controlled router)は最も普及している木工機械といえます。
CNCルータ加工は,コンピュータに入力された加工プログラムによって機能するた
め,繰り返し同様の加工が可能となり,生産性の向上が期待されますが,一方では,
加工プログラムの内容がそのまま加工精度に反映されるため,プログラミングにおけ
る加工条件の選定が特に重要となります。したがって,木材および木質材料における
CNCルータの高精度加工の実現においては,被削材の特性や加工条件の違いが加工
精度に及ぼす影響等を熟知したプログラミングの構築が必要となり,そのためにCN
Cルータ加工の加工精度に関する基礎資料の収集が強く要望されています。
 また,CNC木工機械が家具工場等の生産ラインに導入された場合,厳しい加工条
件下で長時間切削が行われるため,工具摩耗が進展し,そのため製品の品質や生産性
に大きく影響を及ぼすことが推測されます。このように実用上重要な工具摩耗の影響
について十分な調査と研究を行うことは,生産現場において必要不可欠です。さらに,
近年生産ラインに組み込まれているCNC木工機械については,低コスト化,あるい
は効率的加工の実現のため,自動化,無人化が強く求められており,CNCルータに
おいても,加工工程における工具摩耗進展の自動監視とそのシステム化が重要になっ
ています。
 以上のような背景から,筆者らはCNCルータによる高精度加工を実現するための
プログラミング構築に必要な加工精度に関する基礎資料を得るとともに,それを基に
して高精度加工を目指す適応制御自動加工システムの開発を行いました。本稿では,
その研究概要を紹介します。

◇この続きは下記のリンクからご覧ください。
  http://www.jwrs.org/woodience/mm006/ouchi.pdf 

◇	問い合わせ先:福岡教育大学教育学部 技術教育講座
 大内 毅        
TEL/FAX:092-642-2986

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■関連行事情報■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  この欄では木材科学に関するシンポジウム等の情報をご紹介します。
  その他の木材学会の行事予定は http://www.jwrs.org/events/event.html で
  ご覧ください。
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◎   第58回日本木材学会つくば大会
 日 時: 2008年3月17日(月)〜19日(水)
 会 場: つくば国際会議場(エポカルつくば) (茨城県つくば市竹園2-20-3)
 日 程:
日時 	 午前 	    午後        	              夕方
3月17日(月) ポスター発表 学会賞授賞式 公開シンポジウム 	懇親会
3月18日(火)口頭発表       口頭発表             	若手の会
3月19日(水)口頭発表 クロージングセレモニー	研究会会合等 	

 発表申込締切: 2007年12月20日(木)
 要旨提出締切: 2008年1月18日(金)
 参加登録申込締切(予約分): 2008年1月18日(金)
  
 お問い合わせ先: お問い合わせは電子メールでお願いします。
              wood2008@jwrs.org (総務 秦野恭典)

 詳細は以下のリンクから
  http://www.jwrs.org/wood2008/

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■日本木材学会の刊行する学術雑誌はインターネットで読むことが出来ます。最新の
学術情報をぜひご覧ください。
◎和文誌:木材学会誌 電子ジャーナル版
    http://www.jstage.jst.go.jp/browse/jwrs/-char/ja/

◎欧文誌: Journal of Wood Science 電子ジャーナル版
    http://www.springerlink.com/content/1611-4663/
━━━━<広 告>━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「ウッディエンス」では以下の欄に掲載する5行広告を募集します。
なお、広告は日本木材学会の賛助会員からのみ受け付けます。
詳しくは末尾の広報委員会までメールでお問い合わせください。
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