ウッディエンス・メールマガジン


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■ ウッディエンス メールマガジン          2007/11/07  No. 005   
■                                    
■  木材の科学は日進月歩! 日本木材学会から最新の情報をお届けします  ■
                                     ■
                      発行 日本木材学会広報委員会 ■
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お詫び: 私の不手際により、発刊が遅れましたことを深くお詫び申し上げます。
                      日本木材学会広報委員会長 林知行

■本号の目次■
 ・会員の研究紹介
  ◆『未来をひらく木質の形成制御』
                 京都大学生存基盤科学研究ユニット 鈴木史朗

◆『保存処理木材中に含まれる有効成分の効率的な分析方法の確立』
                      北海道立林産試験場 宮内輝久

■会員の研究紹介コーナー■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 日本木材学会の研究分科会という組織ではいくつかの共通の研究対象に興味をもつ
会員相互の情報交換や新たな成果を発表するなど、さまざまな活動が行われています。
このコーナーでは、それぞれの研究会から興味深い研究をされている方を順番に紹介
しています。
 今回は《抽出成分と木材利用研究会》から推薦された鈴木史朗氏と《生物劣化研究
会》から推薦された宮内輝久氏との研究をご紹介します。
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◆『未来をひらく木質の形成制御』
                 京都大学生存基盤科学研究ユニット 鈴木史朗

 樹木の細胞壁は大変強固で、このような強固な細胞壁から構成されている木材は建
材として利用されているほか、樹木の細胞壁からは良い繊維が取れるので、紙の原料
としても利用されています。一方、エネルギー問題や地球環境問題の対策として、カ
ーボンニュートラルな植物バイオマスをバイオエタノールやバイオプラスチックの製
造原料に用いる動きが近年高まっており、蓄積量の多い樹木や、コスト面で有利なイ
ネ科植物の細胞壁の集合体(木質、またはセルロース系バイオマス)が原料として注
目されています。
 もともと成長の良い樹木(ポプラ、ユーカリ、アカシアなどの早生樹)やイネ科植
物(ススキやソルガムなど)の木質の組成や構造を自在に制御する技術ができれば、
使用目的に適した木質を生産することができ、省資源・環境低負荷型社会を構築する
ことが可能と考えられます。例えば、木質の改変技術により、比重の高く、強固な木
材ができれば、必要木材量を減らすことができますし、運搬に必要な燃料の節約にも
つながります。また、単糖への転換効率の良い木質を形成させることができれば、木
質からの燃料や化成品生産において、エネルギー効率やコストを改善することが可能
になると期待されます。このような観点から、私達のグループでは、木質の形成を制
御する技術の確立を目指し、木質形成機構の解明とその応用に関する研究を行っていま
す。近年、森林資源の保全やアメニティー重視の観点から、公共事業を中心に木製の屋
外構造物の建設が進められています。こうした中、構造用集成材が橋梁などの耐力部
材に利用される事例が増加しています。

◇この続きは下記のリンクからご覧ください。
  http://www.jwrs.org/woodience/mm005/suzuki.pdf 

◇問い合わせ先:京都大学生存基盤科学研究ユニット
   鈴木史朗 TEL Tel 0774-38-3624 
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◆ 『保存処理木材中に含まれる有効成分の効率的な分析方法の確立』
                        北海道立林産試験場 宮内輝久
近年,環境保全などの観点から,様々な分野で木材の利用が見直されており,積極的
な利用が推進されています。木材は再生可能な天然資源であることや環境との調和に
優れるなど様々な利点を有しています。その反面,腐朽菌やシロアリなどの生物によ
る劣化,いわゆる生物劣化を受ける材料でもあります。腐朽菌やシロアリによる生物
劣化は,木造構造物の美観を損なうだけではなく,著しい強度の低下を引き起こしま
す。この生物劣化を防ぐための方法として,広く用いられているのが防腐・防蟻剤を
用いて木材を処理する,木材保存処理です。
保存処理された木材の性能は,木材中に含まれる有効成分量に依存します。そのた
め,処理木材の性能を評価するためには,木材中の有効成分をより正確に分析する必
要があります。しかし,保存処理の対象となる木材の樹種は多様で,樹種によっては
定量分析に不具合が生じる可能性があることから,何らかの対処方法を確立する必要
があります。
本稿では木材保存剤の有効成分の分析方法についての問題点を調べ,より正確で効率
的な分析を行うための手法を確立した検討について紹介します。

◇この続きは下記のリンクからご覧ください。
  http://www.jwrs.org/woodience/mm005/miyauchi.pdf 

◇	問い合わせ先:北海道立林産試験場 性能部耐朽性能科
宮内輝久        
TEL/FAX:0166-75-4233(422)/0166-75-3621


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■関連行事情報■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  この欄では木材科学に関するシンポジウム等の情報をご紹介します。
  その他の木材学会の行事予定は http://www.jwrs.org/events/event.html で
  ご覧ください。
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◎   第58回日本木材学会つくば大会
 日 時: 2008年3月17日(月)〜19日(水)
 会 場: つくば国際会議場(エポカルつくば) (茨城県つくば市竹園2-20-3)
 日 程:
日時 	 午前 	    午後        	   夕方
3月17日(月) ポスター発表	 学会賞授賞式 公開シンポジウム 	懇親会
3月18日(火)	口頭発表	口頭発表             	若手の会
3月19日(水)	口頭発表 クロージングセレモニー	研究会会合等 	

 発表申込締切: 2007年12月20日(木)
 要旨提出締切: 2008年1月18日(金)
 参加登録申込締切(予約分): 2008年1月18日(金)
    * 受付開始は2007年12月3日頃を予定しています。 

 お問い合わせ先: お問い合わせは電子メールでお願いします。
              wood2008@jwrs.org (総務 秦野恭典)

 詳細は以下のリンクから
  http://www.jwrs.org/wood2008/

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■日本木材学会の刊行する学術雑誌はインターネットで読むことが出来ます。最新の
学術情報をぜひご覧ください。
◎和文誌:木材学会誌 電子ジャーナル版
    http://www.jstage.jst.go.jp/browse/jwrs/-char/ja/

◎欧文誌: Journal of Wood Science 電子ジャーナル版
    http://www.springerlink.com/content/1611-4663/
━━━━<広 告>━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「ウッディエンス」では以下の欄に掲載する5行広告を募集します。
なお、広告は日本木材学会の賛助会員からのみ受け付けます。
詳しくは末尾の広報委員会までメールでお問い合わせください。
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無断複写・転載を禁じます。                  日本木材学会
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