ウッディエンス・メールマガジン


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■ ウッディエンス メールマガジン          2008/10/27  No. 009   
■                                    
■  木材の科学は日進月歩! 日本木材学会から最新の情報をお届けします  ■
                                     ■
                      発行 日本木材学会広報委員会 ■
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                    日本木材学会広報委員会委員長 林知行
                                             現在試行中:広報委員長のブログ
                                 http://koho.cocolog-nifty.com/blog/


■広報委員会よりのお知らせ■
 広報委員会では、広報活動を強化するため、日本木材学会が主催・共催する行事の
報告をウッディエンス・メールマガジンに掲載することとしました。

 研究会のシンポジウムや見学会等を開催された場合、幹事の方は、広報委員長宛に
記事をお送り下さるようお願いします。

 記事の形式・分量は問いませんが、文章だけの報告であれば、ウッディエンス・メ
ールマガジンに掲載されるだけとなります。写真や図表の入った報告であれば、ウッ
ディエンス・メールマガジンからリンクします。形式は、これまでのウッディエンス
・メールマガジンの形態と全く同じです。

 協賛行事に関しても、何らかの記事をお願いすることがあります。

 よろしくご協力下さい。 

 なお、以上の件に関しては、理事会に報告済みです。

■本号の目次■
・本号では、現在話題になっている木材の土木利用の一つである鉄道用構造物の現地
調査と前回に未掲載であった2007年度日本木材学会地域学術振興賞、同技術賞を受賞
された方々の受賞の声を掲載します。
 
◆旧泰緬鉄道に残る木製鉄道橋
               森林総合研究所 新藤健太,平松靖,山本幸一

◆第16回日本木材学会地域学術振興賞
 『東北地域産材の総合的利用技術の開発と研究成果の普及』
                   東野 正(岩手県林業技術センター)

◆第9回 日本木材学会技術賞
 『クリタケ及びヤマブシタケの菌床栽培技術とナメコ安定生産技術の開発』
                   増野和彦(長野県林業総合センター)
                    

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◆『旧泰緬鉄道に残る木製鉄道橋 』
                森林総合研究所 新藤健太,平松靖,山本幸一
 筆者らは、本年3月に4日間ほどタイ王国を訪問し、いくつかの調査を行う機
会を得た。このうち、中部カンチャナブリ県に現存する木製鉄道橋の調査につい
ては、大変興味深い知見が得られたので、ここにご紹介させていただこうと思う。

◇この続きは下記のリンクからご覧ください。
 http://www.jwrs.org/woodience/mm009/shindou.pdf 

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◆ 『東北地域産材の総合的利用技術の開発と研究成果の普及』
                   東野 正(岩手県林業技術センター)
 地方の公設試験研究機関にいると、様々な災難が降ってきます。行政マンへの移
動があったかと思うと今度また研究者へ戻されたり(オプションで、また行政へと
いうコ−スもあり、私自身も本年4月から行政に異動しました)、県内の業者さん
からの様々な相談が持ち込まれて汗みどろになったり、本庁からは行政ニ−ズに対
応した研究課題を設定しろとの指示があったり、研究成果の現場普及を図るべしと
の様々な注文が舞い込んできます。結局は自分のやれそうなことをやるしかないの
ですが、私の場合は、ほぼ一貫して地域産材の利用技術の開発に取り組むことがで
きました。地方の公設試には、長く在籍してそれに見合う研究成果を着々とあげて
いる方も数多いのですが、今回の受賞は、私の場合はただ長くいたことが評価の対
象になったのでないかと密かに思っております。
 とりあえず振り返りますと、岩手県産スギについて、丸太から製材品、ラミナか
ら集成材にいたるまで強度性能評価試験を実施し、全国に先駆けたスギ集成材工場
(岩手県住田町)の操業開始に寄与したことになります。正角製材品を壁材とする
落とし込み壁工法、道路用側溝蓋、遮音壁およびネットフェンス等の間伐材利用の
土木資材商品などの開発研究も行ってきました。また、実大強度試験結果を基に県
産のアカマツ、カラマツ、スギの横架材スパン表も作成しました。
 最近の成果としては、先端技術を活用した農林水産研究高度化事業で、岩手県林
業技術センタ−が中核機関となって採択されたバイオマスエネルギー利用技術の研
究課題が3課題ありますが、その研究総括者を担当できたことが最後の業績となる
かもしれません。現在、針葉樹樹皮を燃料とする木材乾燥用の蒸気ボイラ−を開発
中で、商品化のめどがたちましたので、近々お披露目できるかもしれません。
  
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 ◆『クリタケ及びヤマブシタケの菌床栽培技術とナメコ安定生産技術の開発』
                    増野和彦(長野県林業総合センター)
		
 この度、「クリタケ及びヤマブシタケの菌床栽培技術とナメコ安定生産技術の開
発」により、日本木材学会技術賞を頂くことができました。関係者の皆様に心より
御礼申し上げます。
 私は、1992年4月の名古屋大会において、初めて大会に参加しました。公立研究
機関においては、当時、「学会」参加が必ずしも歓迎されませんでした。しかし、
当所の木材部の方から誘われて、参加することができました。
「きのこ」分野の発表数は、現在よりもむしろ多く、大変に盛会でした。翌年の盛
岡大会では、初めて発表すべく申し込みましたが、学会時には病気入院となり、講
演を中止しました。予定していた内容は、中部支部大会で発表しましたが、今回の
受賞理由の一つとなった「クリタケ菌床栽培の成功」に関するものでした。
 本大会での発表は、1995年東京大会以来、毎回何らかの発表をさせていただいて
おります。学会発表するだけではなく、論文化することが現在の最大の課題です。
従いまして、研究者として全く未熟ですが、今後とも一歩一歩前進して参りたいと
存じます。以下に、技術開発の概要を紹介し、御礼に代えさせていただきます。な
お、添付資料に写真、文献等を示しました。
 長野県は、エノキタケ、ブナシメジ、ナメコが全国第一位のきのこ生産県です。
しかし近年、市場価格の低迷が続いています。小規模な生産者は採算が取れず、経
営の継続が困難になってきました。そこで、山村におけるきのこ生産を維持するた
め、地域独自の品目・生産方式の開発と安定生産技術の開発を図りました。
 クリタケは原木栽培でなければ生産できませんでしたが、系統選抜と培地開発に
より、我が国で初めて菌床栽培を可能にしました。さらに、パイプハウス等の簡易
施設を用いた栽培で採算に合うことを実証し、クリタケ菌床栽培への道を開くこと
ができました。
 ヤマブシタケについても系統選抜と栽培技術の開発を行い、菌床栽培技術を確立
しました。また、菌床栽培に適した品種を開発し、種苗法に基づいて「品種登録」
を行いました。
 ナメコの生産現場においては、子実体収量の低下や不発生となる現象がしばしば
起きます。従来、これらの原因として品種の変異等の遺伝的要因が大きいとされて
来たましたが、培養温度、培地組成等の環境要因も大きく関与していることを、生
産現場に即して明らかにすることができました。
 今後とも引き続き木材学会の皆様よりご指導を賜りますようお願いいたします。
  
◇この続きは下記のリンクからご覧ください。
 http://www.jwrs.org/woodience/mm009/masuno.pdf 


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■日本木材学会の刊行する学術雑誌はインターネットで読むことが出来ます。最新の
学術情報をぜひご覧ください。
◎和文誌:木材学会誌 電子ジャーナル版
    http://www.jstage.jst.go.jp/browse/jwrs/-char/ja/

◎欧文誌: Journal of Wood Science 電子ジャーナル版
    http://www.springerlink.com/content/1611-4663/
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★	現在のところ非公式ですが、広報委員長のブログも設けています。
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無断複写・転載を禁じます。                  日本木材学会
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